年代別映画批評

1960年代

1960年代に公開された映画の批評・考察記事です。当時の社会背景や映画表現とともに読み解きます。

11 本の記事

映画内映画・心理ドラマ · 1963

8 1/2批評:創作できない映画監督の内面を映画にする

『8 1/2』は、新作映画を準備しながら何を撮るべきかわからなくなった映画監督グイド・アンセルミの内面を、現実、記憶、夢、欲望、自己演出が入り混じる形式で描いた映画内映画・心理ドラマである。フェデリコ・フェリーニは、創作の行き詰まりそのものを映画の主題とし、作れないことを映画にすることで、映画表現の新しい可能性を切り開いた。

制作国
イタリア
監督
フェデリコ・フェリーニ
  • 創作;記憶;欲望;映画;自己演出
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心理ドラマ・実験映画 · 1966

ペルソナ批評:他者の顔で崩れる自己の境界

『ペルソナ』は、舞台上で突然沈黙した女優エリーザベト・フォグラーと、彼女を看護する看護師アルマの関係を通して、仮面、沈黙、演技、自我の境界を描く心理ドラマ・実験映画である。イングマール・ベルイマンは、二人の女性の顔と言葉の非対称な関係を通して、他者を見ること、語ること、同一化することの危うさを鋭く描いた。

制作国
スウェーデン
監督
イングマール・ベルイマン
  • 仮面;沈黙;同一化;演技;自我
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ヌーヴェルヴァーグ・犯罪 · 1960

勝手にしやがれ批評:映画の文法を崩した若者の自由と空虚

『勝手にしやがれ』は、車を盗み警官を撃った若者ミシェルと、アメリカ人女性パトリシアの関係を通して、犯罪映画の物語を解体しながら若者の自由と空虚を描いたヌーヴェルヴァーグの代表作である。ジャン=リュック・ゴダールは、ジャンプカット、即興的な会話、映画への引用、街頭撮影によって、それまでの映画文法を揺さぶり、映画史の新しい感覚を切り開いた。

制作国
フランス
監督
ジャン=リュック・ゴダール
  • 若者;自由;引用;映画史;断片
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SF・実験映画 · 1962

ラ・ジュテ批評:静止画が描く時間と記憶の迷宮

『ラ・ジュテ』は、第三次世界大戦後の廃墟となった世界を舞台に、幼い頃の記憶に取り憑かれた男が、過去と未来をめぐる時間実験に巻き込まれていくSF・実験映画である。クリス・マルケルは、ほぼ全編を静止画で構成することで、映画が本来持つ運動を止め、記憶、時間、喪失の感覚を鋭く浮かび上がらせた。

制作国
フランス
監督
クリス・マルケル
  • 記憶;時間;静止画;終末;喪失
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怪談・幻想映画 · 1965

怪談批評:様式美が映す死の記憶と日本的怪異

『怪談』は、ラフカディオ・ハーンの怪談作品をもとに、小林正樹が日本的な怪異の世界を圧倒的な様式美で映像化した怪談・幻想映画である。『黒髪』『雪女』『耳なし芳一の話』『茶碗の中』という複数の物語を通して、死者の記憶、約束、罪、語り継がれる怨念、人間と異界の境界を描いている。

制作国
日本
監督
小林正樹
  • 怪異;記憶;美;死;民俗
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時代劇・社会派 · 1962

切腹批評:武士道の名に隠された制度の残酷さ

『切腹』は、江戸時代初期を舞台に、浪人・津雲半四郎が井伊家の屋敷を訪れ、切腹を願い出ることから始まる時代劇・社会派映画である。小林正樹は、武士道という名誉の言葉の下に隠された制度の冷酷さ、貧困に追い詰められた人間の尊厳、そして家の面目を守るために真実を隠す権力の偽善を描いた。

制作国
日本
監督
小林正樹
  • 武士道;制度;貧困;偽善;復讐
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ホラー・心理ドラマ · 1968

ローズマリーの赤ちゃん批評:女性の身体が共同体に奪われる恐怖

『ローズマリーの赤ちゃん』は、若い女性の妊娠をめぐって、夫、隣人、医師、共同体への不信が増殖していくホラー・心理ドラマである。恐怖の中心にあるのは悪魔そのものだけではなく、女性の身体が本人の意思から切り離され、周囲の人々によって管理されていく構造である。

制作国
アメリカ
監督
ロマン・ポランスキー
  • 妊娠;身体;不信;共同体;陰謀
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サスペンス・ホラー · 1960

サイコ批評:観客の視線を操作し日常の裏に恐怖を開く映画

『サイコ』は、盗んだ金を持って逃げる女性が、雨の夜に小さなモーテルへたどり着くところから始まるサスペンス・ホラーである。ヒッチコックは観客の視線と共犯意識を操作し、日常的な空間の裏に潜む欲望、母性、分裂した自己の恐怖を映画史に刻み込んだ。

制作国
アメリカ
監督
アルフレッド・ヒッチコック
  • 視線;母性;分裂;恐怖;欲望
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不条理・心理ドラマ · 1964

砂の女批評:逃げられない労働と反復の不条理

『砂の女』は、砂の穴に閉じ込められた男が、逃げられない労働と反復の中で自由の意味を問い直される不条理映画である。砂は世界を埋める物質であり、労働の反復であり、人間の身体と欲望を変えていく存在でもある。

制作国
日本
監督
勅使河原宏
  • 不条理;労働;閉鎖空間;身体;反復
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SF · 1968

2001年宇宙の旅批評:進化と知性の限界

『2001年宇宙の旅』は、人類の進化、道具の誕生、AIとの対立、宇宙的知性との遭遇を描いたSF映画である。物語を説明するのではなく、映像と音響によって人間の知性の限界を体験させる作品として、映画史に巨大な影響を残した。

制作国
アメリカ・イギリス
監督
スタンリー・キューブリック
  • 進化;知性;AI;宇宙;超越
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