年代別映画批評

2010年代

2010年代に公開された映画の批評・考察記事です。当時の社会背景や映画表現とともに読み解きます。

12 本の記事

家族ドラマ・社会派 · 2018

万引き家族批評:血縁ではなく生活で作られる家族

『万引き家族』は、東京の片隅で貧しく暮らす柴田治、信代、祥太、ゆりたちを通して、血縁ではなく生活の共有によって作られる家族の姿を描く家族ドラマ・社会派映画である。是枝裕和は、貧困、制度、虐待、万引き、血縁、愛情を絡めながら、家族とは何によって成立するのかを問い直した。

制作国
日本
監督
是枝裕和
  • 家族;貧困;制度;血縁;共同体
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アニメ映画・恋愛SF · 2016

君の名は。批評:入れ替わりと時間のズレが描く記憶と喪失

『君の名は。』は、東京に暮らす少年・立花瀧と、山深い町に暮らす少女・宮水三葉が、夢の中で身体を入れ替える不思議な体験を通して結びついていくアニメ映画・恋愛SFである。新海誠は、入れ替わり、時間のズレ、災害の記憶を重ねながら、名前を忘れても消えない感情と、失われたものへ手を伸ばす物語を描いた。

制作国
日本
監督
新海誠
  • 記憶;災害;時間;身体;恋愛
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心理ドラマ・ブラックコメディ · 2014

バードマン批評:過去の名声に囚われた俳優の自己像との戦い

『バードマン』は、かつてスーパーヒーロー映画で名声を得た俳優リーガン・トムソンが、ブロードウェイの舞台で再起を図る心理ドラマ・ブラックコメディである。アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥは、過去の名声、俳優の自己像、芸術への承認欲求、そして世間に忘れられる恐怖を、ワンカット風の映像と内面の声を通して描いた。

制作国
アメリカ
監督
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
  • 承認;俳優;自己像;芸術;名声
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音楽・心理ドラマ · 2014

セッション批評:才能を追い詰める暴力と承認欲求

『セッション』は、名門音楽学校でジャズドラマーとして成功を目指すアンドリュー・ニーマンと、苛烈な指導者テレンス・フレッチャーの関係を描いた音楽・心理ドラマである。デイミアン・チャゼルは、才能を伸ばすという名目の暴力、承認欲求、自己破壊、そして偉大さへの執着を、演奏シーンの緊張とともに描いた。

制作国
アメリカ
監督
デイミアン・チャゼル
  • 才能;暴力;教育;承認;狂気
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伝記・社会ドラマ · 2010

ソーシャル・ネットワーク批評:つながりを作る技術が孤独を深める物語

『ソーシャル・ネットワーク』は、マーク・ザッカーバーグがFacebookを創業していく過程を、友情、承認欲求、裏切り、訴訟の構造から描いた伝記・社会ドラマである。デヴィッド・フィンチャーは、世界中の人々をつなげる技術の誕生を、誰よりもつながりを求めながら孤独を深めていく人物の物語として描いた。

制作国
アメリカ
監督
デヴィッド・フィンチャー
  • SNS;孤独;承認;起業;友情
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ホラー・社会派 · 2017

ゲット・アウト批評:身体を奪う恐怖が暴くリベラルな差別

『ゲット・アウト』は、黒人青年クリスが白人の恋人ローズの実家を訪れたことから、親切さと歓迎の裏に潜む人種的支配へ巻き込まれていくホラー・社会派映画である。身体を奪う恐怖を通して、露骨な差別ではなく、リベラルな善意や称賛の顔をした差別を暴き出す。

制作国
アメリカ
監督
ジョーダン・ピール
  • 人種;身体;支配;リベラル;まなざし
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SF・ドラマ · 2016

メッセージ批評:言語が時間認識を変える喪失と選択の物語

『メッセージ』は、地球に飛来した異星人との対話を描くSFドラマである。しかし本作の核心は侵略や戦争ではなく、言語が人間の時間認識を変え、喪失を知りながら人生を選ぶことの意味を描く点にある。

制作国
アメリカ
監督
ドゥニ・ヴィルヌーヴ
  • 言語;時間;記憶;喪失;選択
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SF・心理スリラー · 2014

エクス・マキナ批評:AI実験が暴く創造者の支配欲

『エクス・マキナ』は、AIの意識を判定する実験を描きながら、実際には創造者の支配欲、人間の欲望、見ることと見られることの権力を暴くSF心理スリラーである。エイヴァは人間に似た機械ではなく、人間が作った檻から脱出する知性として描かれる。

制作国
イギリス
監督
アレックス・ガーランド
  • AI;意識;支配;ジェンダー;実験
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SF・恋愛 · 2013

her 世界でひとつの彼女批評:身体のない親密さとAIの愛

『her 世界でひとつの彼女』は、AIとの恋愛を通して、身体のない親密さ、人間の孤独、コミュニケーションの変化を描いたSF恋愛映画である。サマンサは人間の代替物ではなく、セオドアの愛の形を変えていく存在として現れる。

制作国
アメリカ
監督
スパイク・ジョーンズ
  • AI;孤独;愛;身体;コミュニケーション
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社会派スリラー · 2019

パラサイト 半地下の家族批評:住宅の上下構造が映す階級社会

『パラサイト 半地下の家族』は、半地下に暮らす家族と高台の邸宅に暮らす家族を対比し、住宅の上下構造によって階級社会を可視化した社会派スリラーである。ポン・ジュノは、貧困を感傷ではなく空間、匂い、労働、家族の生存戦略として描き出す。

制作国
韓国
監督
ポン・ジュノ
  • 階級;家族;住宅;格差;資本主義
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SF・心理スリラー · 2010

インセプション批評:夢の階層に沈む罪悪感と現実

『インセプション』は、夢の階層を舞台にしたSFスリラーであると同時に、罪悪感に囚われた男が現実へ帰ろうとする物語である。夢は逃避の場所であり、記憶を閉じ込める迷宮であり、現実を選び直すための危険な通路でもある。

制作国
アメリカ・イギリス
監督
クリストファー・ノーラン
  • 夢;記憶;罪悪感;現実;無意識
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